もうすぐ2月の立春をむかえるとはいえ、まだまだ暖房器具だけでは寒い日々が続きますね。フローリングや畳に足が触れた瞬間「冷っ~!」とした経験はありませんか。足元が冷えると体感温度も下がります。 そんなときにはエアコンの設定温度を上げるよりも、ラグやカーペットを一枚床に敷いて、足元からの冷気を遮断すると効果的。 見た目にもふんわりとあたたかな雰囲気があって、断熱性・保温性に富んだカーペットは、省エネ効果も期待できる魅力的な床材なのです。
~断熱・保温+吸音性にも優れたカーペット
3次元の立体構造で繊維の中に空気の層を含むカーペットは、ひとことで言うと、空気をたっぷりと含んだ繊維のかたまり。
なかでもパイル(立毛)のあるタイプは、断熱・保温効果に優れて部屋の温度をしっかりカバー。 暖房だけでなく冷房時にも、この空気の断熱層は省エネにおおいに役立ってくれます。
また、繊維のクッションが衝撃を吸収するので歩行感がやわらかく、万一転んでも安心。 小さなお子様や高齢の方がおられる居室では、滑りにくい敷き詰めタイプにするとより安全です。 部分敷きをする場合は、しっかりとした滑り止めを施しましょう。
空気層で音を遮断するカーペットには吸音効果も期待できます。 マンションなどのフローリングで階下への音が気になる場合は、パイルに厚みがあって密度の高いタイプのものがおすすめです。
~ウール100%カーペットの魅力
アクリル、ポリエステルなど化繊のものはお手軽ですが、やはり天然ウールの暖かさは格別なもの。 冬暖かく夏涼しい、羊毛100%カーペットは保温性に富むだけでなく、湿気を吸い発散してカビの発生を抑えてくれるので、フローリングの床はもちろん和室の畳にも適しています。使い古すほどに風合いが生まれて価値が深まるのも、天然素材ならではの贅沢な味わいですね。
また、品質を保証するウールマークがついているかもチェック。 これは、~99.7%以上の羊毛を使用している ~パイル糸に規定の重量以上のものを使用している ~完全な防虫加工が施されている、など厳格な品質基準を満たす製品のみに許されるシンボルマークです。 購入の際、参考になさってみてください。
ウールマーク
~テクスチャーによって変わる多彩な表情
カーペットは表面のパイルの形状(テクスチャー)の違いで、その表情や耐久性が変わります。 テクスチャーの分類は大きく分けると、「カットタイプ」、「ループタイプ」、「カット&ループタイプ」の3タイプ。 購入するときは目的にあったタイプのものを選ぶのもポイントのひとつです。
【カットタイプ】パイルの先端を切りそろえたタイプで、ソフトな踏み心地。糸の長さと形により、さらに4種類に分かれます。
~プラッシュ・・・パイルの毛先を5~10mm長さで揃えた、最も一般的なテクスチャー。 軟らかな歩行感が得られます。
~サキソニー・・・15mm前後の長さ。糸にネジリを加えていますので、弾力性のある歩行感と、華やかなイメージがあります。
画像をクリックすると拡大されます。 (上)ハードツイスト/(下)サキソニー
~ハードツイスト・・・サキソニーよりさらに強めのネジリをかけた丈夫なパイル。1本1本の糸がハッキリとした印象のある、ラフな仕上がりです。
~シャギー・・・パイルの長さが25mm以上ある最もゴージャスな雰囲気を楽しめます。リビングルームのアクセントとして、個性的なイメージを生かすタイプ。
画像をクリックすると拡大されます。 ループタイプ
【ループタイプ】パイルの長さを均一にそろえて、耐久性と安定感のある歩行性を重視した実用タイプです。「カットタイプ」と比較して汚れにくくお手入れもラク。 お部屋全体に敷き詰めたり、歩行量の多い廊下や寝室、高齢者の居室にもおすすめです。
【カット&ループタイプ】前記の2つをミックスしたタイプ。
いかがでしたか。 単に「敷いて飾る」だけでは勿体無いくらい、カーペットには実にさまざまな機能があります。 豊富なデザインとカラーがそろい、施工コストも安いカーペット。 身近にある優れた「床材」として、もっと積極的に使いこなしてみませんか。